Sunahara Kanon's Diary

ロシアで子育て奮闘中、バレエダンサーの雑記帳

大家を警察に通報した私は外国人

大家から私物を取り返し、大家を警察に通報した結果、大家は罰金を支払うことになった。

それが悔しい大家は、外国人の私を罰したくて移民局に通報。だが、私はなにも違法をしていない。
違法はしていないが、通報されると、落ち着かないものだ。

さて、私たちは大家から私物を取り返したいから、めげずに大家に何度も電話していたが、電話に出てくれない。
私たちは12/31日までの家賃を払っているけれど、1/1日からの家賃は払っていないから、1/1日以降にそのアパート敷地に入るのは違法だと見なされる可能性があるから、何としても12/31日までにこの問題を解決しなければならないのである。

大家の住んでいる家まで行くことも考えたが、フザケている!と取られて警察に通報されても困るから、それはしなかった。

電話に出ないし、さもなければ警察に通報する!というメールにも返事が来ないから、もう警察に通報した。

警察が大家の家まで行ったら、びびった大家は、夫に電話してきて声をあげて意味不明発言してキレている。大家、パニック。
夜八時にアパート入口に来い、荷物は返す。と時間指定された。私達は、証人として隣人と、アパート管理人を連れて行く。

私は隣人付合いが上手なので、一時はアジアの異邦人がいる!とババアに通報されたことがあったが、うまくやり過ごし、バレエ団の公演チケットを無料配布したり、テレビインタビューもわざわざアパートに呼んで派手に、しかし静かにしていた。ロシア女は華やかなのが好き。
インタビューでは「私の隣人や管理人は家族のように温かい、彼らのハートはドストエフスキーの言葉を借りれば、ロシアの大地のように広大なのです、私にとって彼らは私が好きなロシアの理想像です、心から愛しています」と、まあ褒めちぎったから、隣人らは味方になってくれたのである。ものはいいよう、ひとはつかいよう。


夜八時、約束の時間に、私、夫、二人の証人が集まる。重要な主役であるクソ大家は、遅れての到着、おまえは皇帝のつもりか、どこまでもムカつく。

昨日は12/30日だったから、31日までの家賃を払っていた私達には住む権利があるのにも関わらず、「アパートの中に入れてやんねえ!」と大家。
だが、証人の一人がてめえ何様だと怒鳴ったことにより、一人だけならアパートの中に入って良いという許可がクソ大家から降りる。夫が入ることになった。

私の愛する夫と、クソ大家が二人で密室へ。私は殴られていないか心配でたまらなかった、落ち着かせてくれた隣人たちに感謝しかない。

しばらくして出てきた夫と、大家。 
大家は、もう既にブサイクなその面が、もう私の知っている日本語では表せない形相になっていた。夫は天使だけど、本気で怒ると超理論家になるので、大家は夫に負けたのだろう。  
私を移民局に通報して私から罰金とってやる、と騒いでいる。

私には、この共和国で一番エライ移民局長という味方がついている。

それでも、落ち度がないか、今日は今から自分の永住権関係調査だ。



警察署に入ったの、七年ぶり。
七年前モスクワで、酔っ払って道路の真ん中で歌い、踊り、金を集めだしたと思ったら、通行人を高々と持ち上げて落としちゃった男同僚ら、警察に捕まり、彼らを釈放するためにお迎えに行ったのだった。

不謹慎にも昨日は、警察署でノスタルジックに溺れていた。


大家から取り返した私物、すでに大家にゴミとしてまとめられたいた。トイレ掃除のブラシが食器とスリッパのうえに置かれていた。



新年の気分がなにもない。