出産記録3@ロシア
ロシアでは携帯電話が無かった時代、入院中の妻との会話は入院室の窓からだった。
古き良き昔がそうだったから、2018年の今も何も変わらず。
窓越にデカい声でアレ持って来いコレやっておけ、と叫び合うのです。
日本だったら入院に備えて、病室生活で必要なものをバッグに詰めて持参することができるけれど
ロシアはそれができない。必要になったときに家族に連絡して届けてもらう。
ロシアの病院では、パンツまでも没収して潔癖を保ちたい方針だったりするので (なら血の滲んだシーツ買い換えようぜ)
入院患者に会いに家族が院内に入れることはほとんどありません。
多くの女性が子供を家に残して入院しているから、一番可哀想な目に遭っているのは彼らの子供たちだと思う。
平日の勤務時間中に関わらず、入院中の家族のために仕事を抜けて荷物を届けることになるから
日本女の私から見れば、ロシア人の仕事しなくていい精神を助長するだけの制度である。
まあ、これがロシアの長所でもあるのだけれども。"みんなで助け合わないと生きていけない"
「愛してるよー!!」と叫ぶ夫
「私も愛してるー!!家帰ったら洗濯機回して洗剤はアレにしてー!!」と叫ぶ私
「わかんないよー!!ママにやってもらうー!!」と叫ぶ夫
私たちはロミオとジュリエットになれない。
ダーチャに遊びに行っちゃった夫を、ここまで連れてくるのに苦労した。
もうすぐ、妻が赤ちゃんを連れて家に帰ってくるというのに二日酔いのお兄ちゃんに車の運転とじゃがいも植えを頼まれ、
自分もダーチャでサウナとバーベキューしたいから行っちゃったのである。
うちのダーチャは街から離れた森の中にあるので電話が通じない。
ダーチャに行くことを知らされていなかった私は、夫の行方に勘ぐらせる。
3人目の夫親友経由で見つかり、さっさと二日酔い兄を捨ててパンパース、水と食料持って来いと叱る。
私に言われてハっとしたのかすぐ家に戻った様子でした。
ダーチャ、簡易住宅付き家庭菜園とでもいうのか別荘とでもいうのか。
うちのダーチャはかなり広い。去年遊びに来た妹、はしゃぎ回っていた。
ツンデレリケジョをも狂わせたダーチャは本当にのどかで優しいいいところ。
今年になってからまだダーチャに行っていないから、私も早く行きたい(道路がガタガタすぎて妊婦には危険)
姑は金土日とダーチャに寝泊りしている。夫から離れて大自然に囲まれ一人で好きなように野菜や木の実の手入れができるから
虫に喰われて顔じゅう真っ赤になっても気にせず羽根を伸ばしている様子。