Sunahara Kanon's Diary

ロシアで子育て奮闘中、バレエダンサーの雑記帳

肥えよ1日300g、そして本の話

悪阻で5kg落とし、37kgでヘロヘロしながら担当医の目の前で吐いても悪阻点滴の紹介状くれなかったこの医者が、わざわざ席を立ち、私を体重測定の部屋まで案内してくれた。
今まで体重測定が自己申告だったのは、移動が面倒だったから。ということが分かった。

担当医
「1日300gずつ増やせと言っているのに話を聞かないあなたが悪い」
「300gずつということは4ヶ月で私2倍ですね」
担当医
「そうよ!あなたは二人分の命を抱えているのだから2倍にならないといけないに決まっているでしょう、そんなこともわからないの」

日本全国の妊婦が太るなと担当医から管理されているという情報を得ながら、私はやはりどこか別の次元にいるのだろう。

ハンガリーの友からクリスマスプレゼントが届いた。彼女はイタリア旅行中らしく、現地から贈ってくれた。本場のマロングラッセ!
妊婦したら暇になる、暇になれば好きなだけ独旅できる、次はテレジン収容所跡を見に行こうなどとか考えていた自分が情けなくなった。
実際に妊婦となれば、何もできない。
好きな本も読めない。好きな本たちはホロコースト関係なもので、そういった死に関わるものや暗いものは、身体が受付けないのである。
変な虫の画像とかも見れず、吐いてしまう。母親に伝えると、
「動物なのねー。鳥もさ、子を守るために凶暴化するよね。あんたの様子聞いてると、そのまんまだわ。神秘だねえ」
ということらしい。

そういう訳で私は動物ライフをより謳歌する為、
"人間の性はなぜ奇妙に進化したのか"
著 ジャレド・ダイアモンド を読んでみた。

これまた読書を大してすることのない私が言えたものではないが、たいそう面白かった。
性的な感情を一切省いて淡々と論理的に綴られたこの文章は、読み手の興味心にこれでもかと突いてくる。男性の意見でありながら、実に共感できる部分もあった。
例えばこの一節、
「なにごともわずかしか投資しなかった場合より、多大な投資を行った場合のほうが途中で投げ出しにくい。」
その通り。だから私はわざわざ結婚式をロシアと日本でしたのだ。
タツノオトシゴ、アホウドリ、ゴンドウクジラなど動物に比べて人間とはなんと非生産的なこと。結局のところ、人間は感情が伴っていないと行動できないのだなと認識させられた。

ウォシュレットを創り出した人は天才だが、
このジャレド・ダイアモンドも凄い。

手紙付きは嬉しさ倍増!