Sunahara Kanon's Diary

ロシアで子育て奮闘中、バレエダンサーの雑記帳

パンツに潜む人類の人権

パンツを穿いた生活を送れる我々人類は、この安堵に包まれた生活に感謝しないといけない。
パンツを没収され、1,5日ノーパンで過ごした私は、パンツを穿くことを夢に見た。
パンツを没収されただけで、惨めで、屈辱的な気持ちになった。
パンツが基本的人権の一部と称されるのであるとすれば、私はロシアの産婦人科に人権を奪われたのであった。
先程、退院して、迎えに来てくれた夫にパンツを持ってきてもらい、人目もはばからずその場でパンツを穿いた瞬間、
私は人権を取り返したのであった。

昨日は破水の疑いで病院へ。

病院に着くと、書類の提出を求められ、ロシア保険とそのコピー、永住権とそのコピー、住民票とそのコピーを提出。

全裸にされ、シャワーを浴びさせられ、身体濡れてる全裸のまま鉄のベッドに横にされ、手洗い液体洗剤ぶちまけられ、下の毛剃られる。

パンツ、ブラジャー、服、靴が没収される。没収ババアが私の服をどこかへ持っていった。

「股に挟んで歩き回れ」と布を渡される。破水か尿か調べるためらしい。股に挟んで全裸でその場をウロウロ歩き回ること10分。

全裸で内診台へ。医者8人に囲まれた中での内診。

身体をよっこらしょと起こし、内診台を降りる為、足をバタつかせ床を模索した時に、血が溜まったトレーを蹴りそうになり叱られる。

浴衣を着せられ、その後ロシア語ヘタクソなムスリム医学生に案内され、何故か陣痛室でドップラー検査。

ドップラー装着されたまま2時間経過、医者に忘れられる。ナースコールいうものは存在しない。

陣痛で大声で叫んでいる妊婦に負けじと私もでかい声で「ドップラーはずせババア!」と数回叫ぶと、掃除婦が来て外してくれた。

また別の入院室に移動なので全裸にされ、別の浴衣を着せられる。

検査の結果、破水かも?少量だから問題ないし子宮口開いてないから帰っていいよとなるが安静とって1日入院を選択。
 
 
今回は入院して良かった。同室に巨漢がいなければイビキもなく、普通体型の子達と楽しく過ごせたこともあるけれど、
次入院する時は出産なので、お産への1日の流れや、決まりごとがわかった。

・やはり大部屋じゃないと私は寂しい思いをするであろう。
・救急車を呼べば無料で行けるけれど、大病院に連れて行ってもらえるという保証は無いのでタクシーで。
・陣痛室は、壁ではなく窓ガラスで仕切られているから、目の前の妊婦の全てが丸見えである。私も自然分娩で産むなら誰かと大事なところを見せ合いっこしながらお産になることを知った。
・イラクやムスリムの何もできない医学生がお産に見学に来ることを拒否する手紙を書かなければならいことを思い出した。
・出産に備えて持ってきていいもの、だめなものを知った。これは別記事にまとめることとする。
 
入院中に再読したのが、"ガセネッタ&シモネッタ" 著 米原万里
米原さんの本、どれも最高傑作!読んだことない人は是非ご一読を!
"パンツの面目ふんどしの沽券"も大好き。
病院に向かうタクシーに乗るとき、この本を無意識に手に取ったのであった。
ノーパン生活が始まることは運命付けられていたのだろうきっと。
ロシアに生きる者、パンツネタ無しには......////