バレエと子育て
産後、バレエの仕事が増えた。
もし夫がバレエ男なら〜プリンスオブタイツなら〜ありえないことだった。
プリンスは自分のことだけを考えるのが仕事なので、妻が踊ってる間自分は在宅で子育てなんて、考えることも無いのだろう、バレエダンサーを彼氏にも夫にもしたことないけど、同僚の夫婦ら見てたら確信する。
私の夫はできた人だ。
出産して、バレエという仕事をこなして、ロシアという不便な国で家事もして、私はよく頑張ってると思う。
でもそれは午前は夫が、午後は私が娘と在宅という生活のおかげで成り立っている。
だから風呂に入らないとか歯磨かないとか靴下脱ぎっぱなしで一週間放置とかトイレットペーパーなくなったら新しいのを出さないで芯も捨てないとかトイレのあと電気消さないとか、5回言わないと皿洗わないとか、
許してあげようとここに誓う。しかし神に誓う訳ではないので、やはりキレることはあっても自分のことも許す。
子供がいるとお金が必要だから仕事を貰いやすい、というわけではないけれど、そうだったりするのがロシア。
6月の終わりから1ヶ月半の休暇中、ストレッチも何もせず過ごしたのに、先週はギャラの良い仕事をもらった。
田舎でパドドゥとタリスマンを踊ってきた。パートナーの金髪は、ガパック。オペラが中心のコンサートで、私たちバレエ組は良いアクセント。
田舎遠征は、月に複数回ある。振り当てられるのは、私と金髪を入れて5組の中から、ランダムに仕事が与えられる。
入団して間もない私がこのギャラの良い仕事を貰えたことは、嬉しいが嫉妬もある。ギャラがいいから、みんな行きたいし、特に若い彼氏彼女でバレエ団で働いてる人たちは尚更。しかし自分から仕事を頼みに行くようなカップルは、その時点でダメなのだ。
踊れる男女カップルなら望まなくても仕事はどんどん降ってくるからね。ブルガーコフの詩の一説を思い出した。
頼むな、君は必要とされているなら、その時与えられるから。
至言だわー。
とにかく、いい仕事がしたい。
ギャラが良いとテンション上がる。
ロシアの田舎をバスで通る。何年、何度目、いくつめの田舎だろう、いったい何度この、だだっ広い畑に用を足したのだろう。ビール飲むとバス止めて畑に走る頻度は多くなるよね。
今度本気でロシア地図買って今まで行った国内の街や田舎をリストアップしよう。
遠征の日は一日丸々、夫に娘を預けることになるから、そういう日は彼が一日休みを取って、振替で土日のどちらかに仕事してる。