人に頼るということ
産後9ヶ月経過。バレエ団復帰して一ヶ月、四羽、ペザント踊っても、腹の縫目は解けず、出血も無く、産後の経過が良好であることに心から安堵し、人間という動物力に驚かされる毎日であります。
しかし、本当に視力が落ちた。母乳と一緒に無くなったのだろうか、視力というか、どこか頭の裏の酸素が抜けたような感じ(この語彙のなさ)
舞台照明の暗い、くるみの雪のワルツで目が回った。
朝の公演で、転倒の危険を感じたので夜の公演では少し明るくしてもらった。
産前に暗い中でフェッテしていたなんて、今では信じられない。
で、身に沁みて思うのは、私はもう若くないということ。肌にみずみずしく、ピチピチした若い子ではないこと。
アカデミーを卒業したのが10年も前であること。
パドトロアでも、コロンビーヌでも、妖精でも、まだは踊る。そのために早々と復帰したし、26歳のうちに産んだのだから。
けれど、そこに可能性のある若い子がいたら、その子が踊るべきだと思う。学ばなければならないのだから。
私に、こんな仙人的観念が芽生えていたなんて思ってもみなかったから、自分でも驚いている。そして、35過ぎても主役を譲らないプリマを見ていると、(バレエはうまい)、バレエダンサーてやっぱ自己中の極みだなと、心が痛むのでした。
育児とバレエの両立は、まあ無理に等しいでしょう。というか、育児って一日中子供といることですよね。だとしたら私は8ヶ月間だけ、独りで育児した。孤独で発狂するのを抑えて、しかし抑えられんときは夫に八つ当たりも、した 爆
バレエ踊ってるより育児のほうがよっぽど大変です。比べ物になりません。私はバレエに戻って精神的に安定した。
赤ちゃんは喋らない、毎日が平坦、何も誰も褒めてくれない。産後8ヶ月でバレエ団復帰と言えば聞こえは良いだろう、ゲイジュツ(私この言葉大嫌いだけど敢えて書く) に生きる美しい人生だーーとか何とでも書くことは可能だろう。
けれど、育児放棄と言われても反論できません。だって育児より入って踊ってるほうがよっぽど簡単だし、孤独じゃないから精神的にラク。
1.5倍稼いでいる姑に育児休暇に入ってもらい、私はバレエという仕事に戻った。
さて、ロシアには私のようなバレエダンサーが、何万人いるでしょうか。。。
姑は、普通のことだ、助けるのは当然だ、かわいい孫と嫁のためだ、助ける人がいることは幸せなことだ、ありがとう。と言ってくれるけれど、
姑に大感謝の毎日です。頭が上がらない。
子供を産んで、人に頼るということを学びました。
仕事が早く終わる日は、飛んで帰って姑に休みの時間をあげようと思うものの、疲れて寝てしまう。月曜日は休みだから、無理してでも娘を外に連れ出して公園に行く。寒いし二重ドアでガタガタみちのロシアでは、これは大労働。
なんでも触りたい、口に入れたい、自分で立ちたいお年頃。