Sunahara Kanon's Diary

ロシアで子育て奮闘中、バレエダンサーの雑記帳

かゆい話

23日に25歳になりました。「大人」って感じの数字です。

 

5月末のこの時期はロシアでは水道管掃除やら工事なので1~2週間ほどお湯が出ない。

留学中の時は、浴槽がなかったから、皆各自手持ちの桶にキッチンで沸かした熱湯を入れ、シャワー室まで運び、ちょこちょこ熱湯とシャワーから出る冷水を器用に使いこなして体や頭を洗ったものです。みんなで一緒だったから耐えられたし、あれはあれで楽しかったし、お湯が出たときの喜びをみんなで分かち合うのはとても感動的だった。

 

今は浴槽が生活の中にあるから、そこにキッチンで沸かした熱湯を入れる作業を数回すればいいものの、

そこまでするなら頭かゆいのを我慢するかな、と思った私は一週間以上風呂に入らなかった。

途中、何度か実行しようと思ったものの、面倒な気持ちが勝った。

誕生日の23日はピークに頭がかゆくて、自分から悪臭が放たれている気がしてならなかった。頭がかゆくて髪が湿っていると、なんだか惨めで悲しくなった。惨めになると、何もする気が起きなくなった。

 

そんな私を見た夫が、誕生日は肉を食べに行こうと誘ってくれた。給料の1/8くらい浪費したけれど、気分がよかったです。

 

その翌日の夜にはお湯が出ました。風呂嫌いの夫にはこの胸の高鳴りが分からなかったようなので、隣のおばあちゃんと喜びを分かち合いました。まるで戦争映画の登場人物になった気分です。イメージはセピア色の背景で、大量の水と石鹸が囚人に与えられるシーン。カメラレンズの焦点は、その水を体いっぱいに浴びながら、両手を広げて空を眺めている少女。

 

留学時代が懐かしいな。