Sunahara Kanon's Diary

ロシアで子育て奮闘中、バレエダンサーの雑記帳

サムライ展と曽又ひとみさん

モスクワで通年開催されている、日本を紹介するサムライ展。
日本の文化 歴史 人々に興味のあるロシア人達にとても親しまれています。
2008年にクレムリン宮殿で開かれた 特別展「サムライ、日本の武家の宝物」では
メドベージェフ大統領も訪れたほどの規模の大きな展覧会です。

東京国立博物館の所蔵品、日本刀や鎧の展示、着物を試着出来るブース、
日本が好きなロシア人やモスクワ在住の日本人による
武道、茶道、書道、日本舞踊などの実演イベントもあります。

去年の3月は 東日本大震災チャリティーコンサートが開かれ
私もモスクワ在住の日本人バレリーナ として出演し、
バレエ作品を数曲踊って沢山の拍手を頂きました。
着物のモデルにもなりました。

ロシア人の子供達が歌う「翼をください」「とおりゃんせ」「ビリーブ」など
日本の歌を、綺麗な日本語のイントネーションで合唱していた姿に慰められました。

お客様の中には大地震が起きた日本を想って号泣してしまう方や
「日本のみんなを応援しているわ!」
私を優しく抱いてくれた女性もいました。

「がんばれ日本!お願いだ!」
大柄の男性が顔を真っ赤にして、大声で泣き叫びながら
"敬愛なる我らの 日本の友達へ"
とお財布まるごと の勢いで寄付をしてくださった方も数名いました。

ロシア人の若い大学生の男の子が
「私は日本人をとても尊敬する。日本人は素晴らしい。こんなに大変な状況なのに、
みんなで助け合い励まし合って 明日を迎えるために頑張っているから。
私達ロシア人には絶対に出来ないこと。だから私は日本人を尊敬する。」


彼らのシンプルな優しさを感じ、とても嬉しかった。
この日はとても感慨深い一日でした。

K ♪ K バレエ

K ♪ K バレエ

K ♪ K バレエ

K ♪ K バレエ

K ♪ K バレエ

K ♪ K バレエ

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このイベントを介して知り合うことが出来た
元ボリショイ歌劇場 外国人唯一のソプラノ歌手 曽又ひとみさん。
サムライ展でのイベントの構成や、企画、管理もされています。

歌手としてだけではなく、
近松門左衛門の戯曲「お夏と清十郎」をベースにした日本語オペラ「お夏」(塚本一成 作曲)
この作品を監督としてモスクワに定着させ、幅広く活躍されている方です。

去年の春に モスクワ音楽院にてオペラ「お夏」を観賞しました。
ロシア人達が着物を着て、日本語でオペラを歌っている様子は惚れ惚れするほど綺麗でした。

生で聴くオペラの声は私の体の中にずっしりと響き、
鳥肌が立つほど感動して涙が止まりませんでした。

死んでしまった恋人、清十郎を想うお夏の哀しみと悔しさが痛いほどに伝わってきました。
ヒロインの包み込むような暖かい声や、心に突き刺さる様な悲痛な声が
終演後も頭の中や体中に残り、私はほうける様にしばらくその場に居ました。

オペラ「お夏」はこれからもモスクワで公演が続きます。
興味のある方は是非ご覧になってみてください。

曽又さんは現在もモスクワ在住ですが、日本に帰国されることもしばしばあり、
歌を本格的に勉強したい方のために指導をされています。

モスクワでも日本でも、私と逢う機会を作ってくださる曽又さんにとても感謝しています。
オペラやバレエ、仕事場でのロシア人との付き合い方、生きていくための極意...
いろいろな事を教えてくださり、いつも学ぶことが多く、自分を省みることが沢山あります。
曽又さんの存在は本当にありがたいと思っています。

K ♪ K バレエ
1月に曽又さんと

今年の3月も、モスクワのサムライ展で 日本文化の紹介をするイベントが開催されます。
曽又さんや、バレエダンサーの岩田守弘さんも出演される予定です。

モスクワに在住されている方は
"Выставка Самураи"
というポスターがメトロや公共施設に貼られていると思いますので
是非チェックしてみてください。

私も日本から応援しています。