Sunahara Kanon's Diary

ロシアで子育て奮闘中、バレエダンサーの雑記帳

罰金の謎

私の父はよく駐車違反に引っかかるので、ショッピングや食事を終え、良い気分で車に戻ればフロントガラスに白い紙が貼ってあることはしょっちゅうだった。
あの白い紙、心臓に悪い。
でも、ロシアではもっとひどかった。
車ごと無いのだ。
 
16時
セリョージャと私、用事を済ませ、みんなが路上駐車している即席無料駐車場と化した場所へ戻る。

車が無いことに気がつく。

どこの誰とコンタクトとればいいのかわからない。
外は-15度で寒いので、とりあえず近くのスーパーの入口に避難。

「罰金車センター」でググり、電話してみるもたらい回しにされる。
あきらめず罰金車センター、警察、罰金支払いセンター、罰金車駐車場に電話をし続ける。

罰金支払いセンターで書類を作り、その後罰金車駐車場に提出すれば車を返してもらえると知るも、罰金支払いセンターの警備員達が2時間の休憩時間に入ってしまっていた。

とりあえず罰金支払いセンターの近くまで行こう、とタクシーを呼ぶ。
そのタクシー運転士が罰金車との闇取引者だった。(そのときは気がつかなかった)
「車はやく返してもらいたいんだろう、金はあるな?俺が助けてやる、早く家に帰れるゼ」 と口車に乗せられたセリョージャ、「お願いします」と言ってしまった笑い泣き

19時
見知らぬタクシー運転士に連れられ、いかにも怪しく薄汚い小屋へ。
その運転士、誰かに電話;
「おっす同志、俺っち人を助けないといけなくなってんだ。お前さん、俺が合図すっからちょいと出て来れねえか」
ここでセリョージャ、焦りまくる。「どうしよう、この人大丈夫かなぐすん
遅いんじゃー笑い泣き

見知らぬ男が金を要求してくる。その額、5000ルーブル(約1万円)
今支払えば罰金支払いセンターに行かなくても、罰金車駐車場で列に並ばずにすぐ車を返してくれるという。
セリョージャ、5000ルーブル払っちゃった笑い泣き

タクシー運転士、「僕、急用を思い出したから家に帰る。娘を保育園に預けたままなんだ」
と突然いいパパぶりっこ。

別のタクシーを呼んで、罰金車駐車場へ。
特に何の書類も書かず、列にも並ばずすぐに車を返してもらえたが、
「1週間以内に罰金6000ルーブルを払います」という誓約書にサインさせられた。
でもこの時点ですでに20時。罰金支払いセンターの休憩時間はとっくに終わっているから素直に2時間待っていれば5000ルーブル支払わなくて済んだのである。
 
自分を責め、疲れ切ったセリョージャ、大いに呆れるも彼を励ます私。
ロシアでは本当に助け合わないと生きていけないのです。
ちなみに、なぜ私達の車だけが路上駐車違反に引っかかったのかは謎のままである。
全てを明かす必要もなければ、全てを知る必要もないのだ。
知らないほうが幸せなことは多い。
 

ねえ、猫。