Sunahara Kanon's Diary

ロシアで子育て奮闘中、バレエダンサーの雑記帳

Grand系


いま、書きたいことがたくさんありすぎてまとまらないのですが
何より一番に伝えたいことは、Grand pas jete с броском ноги в сторону и окончанием в позы croise/effacee вперед и назад.
(脚を横へ90度に投げて跳んで脚を後ろか前のエファッセかクロワゼにおりる)
という動きの美しさに惚れ直したことです。

片足で跳んで片足で着地するグループの中で、私が最も好きな跳躍です。
ここ2日間で、この動きと組み合わせたコンビネーションだけを14種類作った。
この動きの中で第一に重要視されるのは、各のpreparationですね。
跳躍の教授法において最も重要なのは指導する順番で―それらを守って正しく指導するのが教師であって―なぜこの順番で教えるのかも子供を子供扱いせずに理論を説明するのが教師です。

パッセに畳んだ時のつまさきの位置が正しいダンサーは美しいと思っています。
この跳躍に限って述べれば、私は発展型の動きを先に子供たちに与えます、
というのは空中で両脚を2番ポジションに開く跳躍を子供たちはもうtemps saute, pas echappe sauteを学ぶ1年生の頃から知っています、
しかも4番ポジションを通るen trechat ― pas briseも出来るようになっている彼らには
2番の難しさを思い出させる必要があるのでは、というのが私の考えです。

いまは頭のなかがGrand sissonne en tournan, Grand fouetteに関連する跳躍でいっぱい。
このGrand系、なんて多くて難しくて美しいの。
Grandという「大きい」という意味の言葉は、アカデミーの1年生にはバーとセンターのGrand plieとGrand battement jete以外では使わない。
「Grandがつくとなんでも難しくなるけれど、かっこいい」というのはロシア人の子供たちの認識。
だから2年生の子供たちには、「もうお姉さんお兄さんだからGrand pas echappe II,IVのクロワゼ、エファッセを学ぶんだよね。みんなお利口さんだ!」と言うと
とーってもかわいい笑顔を見せてくれる。萌えるとはこのことを言うのか。
本当にかわいい。美しい子供たちのかわいい笑顔ほど嬉しいものない。

何でもかんでも脚を高くあげていればいいのがバレエではないのです、ということを
このGrand pas jete~脚を横へ~の動きに惚れ直して思い出した。


グセフの名言ー「綺麗とはー正しい、便利(やり易い)、簡単」。
ガリツェヴァの名言ー「ザハロワがなんで美しいと思う、正しいからよ!」
レービチの名言ー「美しくないならバレエなんていらないのよ」


先週はボリショイに帰って、大学の国家試験前の調整を受けていました。
パパ、ママたち(世間では教授という)にたくさん怒られて、たくさん褒められました。

私は「ロシアの舞踊アカデミー7年生(16-17歳)女子の跳躍と教授法」について研究しています
研究というと何かとても高尚でものすごく偉いことしてる人みたいだけれど
結局、好きでやってるだけなのよね。

教授のなかでも特に、
"чисто академический"(清いアカデミズム とでも訳せるのかな)で
コンビネーションを組む人はやはり素晴らしいダンサーを育てると思っています。
そうね、この写真に写っているワレリー・アニシモフのような。