Sunahara Kanon's Diary

ロシアで子育て奮闘中、バレエダンサーの雑記帳

真っ白なきもち

素直になることって、難しい。どうしたらいいんだろう。

K ♪ K バレエ

バレリーナは、舞台の上では役を演じなければならない。
濃~いお化粧をして、衣装を着て、これだけで既に普段とは別人。

顔の表情、頭の先から手足の先まで、全部お客さんに見られる。
だから舞台は恐ろしい。

バレリーナは、手相を見せない。
見せてしまったら、お客さんは、そのダンサーを1人の人間として、
現実を見てしまう。
アロンジェ~アロンジへ戻す一瞬でも、手のひらを客席に向けることは、無い。

バレエだけじゃない。宮廷舞踊も同じく。
例えば16世紀始めに既に西欧で一番人気の舞踊となった、
優美・富を意味する"パヴァーヌ"。
女性はパートナーの男性にさえ、手のひらまでは触れさせない。
目も、どちらかというと伏せ気味で、パートナーを見ることも殆ど無い。

16~18世紀、主にドイツで流行った"アレマンド"。
男性が女性にレベランス(お辞儀)をし、ゆっくりと大広間を手を繋いで回る。
最後は、男性が女性の手を自分の額に当て、尊敬を表したり。

フランス、イギリスで16世紀後半から流行り始めた"ボリタ"は、
女性は男性の肩に手を置いたり、男性が女性を跳躍の為に軽く持ち上げ始める。

パートナー同士は、踊るために、お互いに心を開き始めたのが、
ちょうどこの頃からなんじゃないかな。


それでも踊りに、気持ちや、性格って、舞台に立つと露に出てしまう。

だからこそ、
バレエとプライベートでの自分を、しっかりと分けたい。

K ♪ K バレエ
素直に、まっすぐで居られる自分は、信頼したい人の前だけでいい。

撮影:HIRO Studio