Sunahara Kanon's Diary

ロシアで子育て奮闘中、バレエダンサーの雑記帳

コンクール経験から得たこと

コンクール懐かしいなあ、舞台の奈落が好きだった。
自分と近いエントリーナンバーの出場者達と
「がんばってください!」「おつかれさまです!」と
声をかけあったり、お菓子交換をすることが大好きだった。


初めて舞台に立ったのは9歳の時。
部屋の片付けをしていたらビデオが出てきて、つい見始めてしまった。
カチカチに強張った表情でフロリナ姫を踊っている。
これは姫じゃ無い(失笑)

10歳でのコンクール。キトリのヴァリエーション。
「扇子を持って踊りたい!」と塾の帰りに母親に言ったことを覚えている。
別にそのことを後悔したことは無かったが、アチチュードターンにかなり苦労した。


40度の熱を出して楽屋のトイレで吐いた後に踊ったので顔が青冷め
身体も冷え切り、白目になっているが、
余計な力が抜けているのかノーミスで踊った。

それ以降もコンクールには挑戦し続け、どんどん緊張というものが無くなっていった。
足の甲の披露骨折+高熱で両親に反対されても出場し、
恩師が見守ってくれている中、スワニルダを踊った。

とにかく負けず嫌いな性格は今と何も変わっていない(笑)

中1で出場した東京新聞主催全国舞踊コンクール決選では、
「んー、もうそろそろ出番かな?」と思って袖幕に行くと、
「次の次です!急いでください!」と係員に言われたなぁ。


これらのコンクール経験が今、バレエ団の舞台、そして私生活の面でも、
とても強い武器となってくれている。
コンクール経験がもし無かったとしたら、
1人で舞台化粧、トウシューズのリボンが出てこないように縫うこと(ステージマナー)、
予備のトウシューズやタイツを準備することすらも、絶対出来なかった!


勿論コンクールだけでは無く、普段とは違う環境でビンビン刺激を感じることが出来る、
講習会やワークショップを受けたことも役立っている。

コンクールから得たものは数え切れないほど、沢山ある。
その中から一つを挙げるとしたら、「頑張って我慢をすること」


育ててくれた恩師達ひとりずつに今からでもお会いして、
心からありがとうございました!と伝えたい。


知り合いの方が、キトリを踊った10歳の私をモデルに描いてくださったことがあります。
K ♪ K バレエ
(第26回 国際扇面展 「発表会の日」 林田直子 於:東京都美術館) 

当時はこんなに可愛らしいイメージだったのか、、、