Sunahara Kanon's Diary

ロシアで子育て奮闘中、バレエダンサーの雑記帳

アトラクションはいらない

1月頭まで、朝昼は子供のためのミュージカル、夜はバレエはくるみ割り人形の公演で計30回をこなさねばならぬ今日この頃、外は-32度で通勤バスのエンジンが凍り、故障。

今朝はミュージカルに遅れた私ほか同僚たち。まあ、バレエじゃないので、しかも芸術監督不在だったので、たいしたことない事故。

 

子供たちのために、こうして大人(私たち)が舞台を作るの、本当にすばらしいこと。

ロシアにはディズニーランドのような夢いっぱいのアトラクションもなければ

娯楽もほとんどないので、こうして私たち自らが子供たちのために働く。

というか、遊園地があっても寒いので誰も行かないので冬は閉まっていることが多い。

 

いま、日本から親友がウラジオストク~イルクーツク間のシベリア鉄道にわざわざ乗っているのだけれど、彼女も言っていた。「日本は平和やなあー、娯楽が多いんだなあ」

そうね日本は特に東京はポケットに金があればいくらでも遊べる場所がある。

ロシアは金があっても遊びにいくところがない笑

 

子供ミュージカルは、グリム童話から

かえるの王子さま、シンデレラ、ブレーメンの音楽隊など。

私らバレエダンサーは、言わばディズニーランドのパレードのお姉さんのような役割。

客席と舞台を往復しながら子供と触れ合う。

 

純真無垢な子供たちは、妖精役のオペラ歌手が「こんにちは、わたしは本物の妖精です、私は妖精ですから、実際に起こっていることだけではなく、みんなが考えていることも見えるのですよ。さて、これからみんなが見たい御伽噺はなーにかな?」

と聞くと、「カエルの王子さまー!!!!!!」と大きな声で答える。

ここで「チッポリーノ!!!」とか冷やかしに全く別のことを言う子供はいない。

私達ダンサーが客席に降りて、「さあ踊ろうね」と手招きすると

男の子も女の子も踊りだす。ぴょんぴょん劇場内を跳ね回る子供たち。

なんて素直でかわいいの

 

ロシアしか知らないロシア人ダンサーたちにとっては

「ああー子供のためにこれを1日2~3回。ギャラはたったの○ルーブル」

とぼやいているけれど、日本を知っている私の感想としては

「こりゃ子供を感性豊かに育てるよね」 に限る。

 

もうすぐソ連崩壊記念日、25日、じゃなかったクリスマスですね。

ロシアでは1月7日がクリスマス、旧は13だか14だったか。どっちだったかな。

その日までだいたい毎日がくるみとミュージカル。

まあ、子供のためにこなそうじゃないの。

 

私自身もそれなりに楽しんでいるのである。

カツラがかゆいのはつらいけども。

 

と、書いている間に親友がイルクーツク到着。

彼女から写真を拝借。バイカル湖。